FAPの目的・効果

私がFAP療法を使う大きな理由

【1】トラウマ記憶の出口を作る

 
トラウマ記憶は例えて言うと「出口のない隔離された状態」で体に留まり続けているようです。FAPはその出口を作る働きがあるのだろうと思います。

 

FAPを受けていただくとその記憶や感覚が体から出てきてくれます。その処理過程で一時的に眠くなる、呼吸が苦しくなる、頭がぎゅっと締め付けられるような感覚になる、受けていただいたあと夜の睡眠時に悪夢を見る、忘れていたことが思い出される、などがみられる場合がありますが、次第に落ち着いてきます。

 


【2】分断され麻痺している感覚を繋ぐ

 

トラウマはつらいものなので感覚を麻痺させている部分があります。一方で非常に過敏に反応してしまう部分もあるので、ご自分では麻痺してるとは思っていないかもしれませんが、かなりの高確率で身体と心を分断しています。

 

そういう状況下では自分が今何を感じているのかわからなくなっています。イヤなことを言われてもそんなにイヤとも思わず笑っていたり、悲しいはずなのに涙が出ないとか、怒ったことがないと仰る方もいらっしゃいます。

 

それだけでなく楽しいはずのものも頭ではこれは楽しいことだという認識はできても、感情では冷めているという感覚になっていることも少なくありません。

 

FAPはこの分断された回路をつなぐはたらきがあると実感しています。感覚を取り戻されると、自分が何をしたいのか、またはしたくないのかを、きちんと感じられるようになります。自分のことがわかる様になり、自分のことを話せる様になっていくので、自分の意思で自分の人生の選択をすることが出来るようになっていくのですね。

 

 

【3】インプットされた条件付けを解除する

 

私たちの脳には記憶と感情をつかさどる大脳辺縁系というところがあります。そこではある情報が自分にとって安全か危険か、快か不快かを、過去の経験や見聞きしたことから判断し行動を決定していることが知られています。<快><安全>のラベルが貼られた情報は繰り返しその体験を求めるのに対し、<危険><不快>のラベルが貼られた情報は近付こうとすると脳から<警報>が発せられ、それを避けるか迎え撃つための行動を取ろうとします。

 

例えば、チョコレートのソフトクリームが大好きな子が、おろしたての白い服でお出かけして食べた時にこぼして汚してしまい、とてもショックを受けたとします。脳は「白い服の時チョコソフトはを食べるのは危険」「チョコソフトは大事なものを汚す危険なもの」とラベルを貼ります。すると次に食べるときに緊張したり、食べることをためらってしまう、なんてことが起きます。チョコソフトが大好きだったはずなのに、それまでのように自由に楽しめなくなってしまってますよね。

 

気をつけるに越したことはありませんが、<危険>のラベルが貼られると、このように判断の基準が必要以上に高くなってしまい、行動に制限をかけてしまう様になるのです。

 

FAPはこのようにインプットされた条件付けを解除していく働きがあります。条件付けをリセットすることで、新たな情報を入れていくことができるようになります。もちろん記憶がなくなるわけではないので失敗も覚えています。でももう失敗を避けるのではなくそれを糧として、今から出来ることを考えられるようになっていきます。一度は閉ざしてしまった道をもう一度進もうとする知恵と力が湧いてきます。

 

 

【4】身体にたまった精神的な疲れ・ストレスを軽減する

 

 体調を崩してしまって病院に行って検査したけど「どこも異常はないですね」と言われ「精神的なものでしょう」と言われたという経験のある方はけっこういらっしゃるのではないでしょうか。

 

その〝精神的なもの“に対してはなにか治療してもらうというよりは「ストレスをかけないように注意してくださいね」とアドバイスをいただくことが多いのではないでしょうか。でもこの〝精神的なもの”こそなんとかしないと症状は軽くはなってくれません。

 

そしてこれには、“重さ”があるかのようです。体重計に乗っても数字に反映はされませんが、体感的には「身体が重い」「鉛が入っているみたい」「足が上がりにくい」「動きにくい」と感じていることが多いです。その状態に慣れてしまってそういうものだと認識してしまっている方もいらっしゃいますが、こういう場合、軽くなってはじめて重たかったんだと気付きます。(私もこの経験者です)

 

FAPを受けていただくと、これが身体から出て軽くなる、という体感を持たれる方が多いです。目に見えるわけではないので証明は難しいのですが、受けていただいた方からは「なんだか動きやすくなりました」「今までやろうと思っていたけど出来なかったことが出来ました!」とご報告をいただきます。軽くなると動きやすくなる→それで軽々と行動できる、という現象が起きる様です。

 

 

【5】先天性で治らないといわれてきた領域(発達障がいなど)にアプローチ

 

FAPは創始者の大嶋信頼先生の臨床場面で常に進化し続けている治療法で、新しいバージョンが生まれたことにより、これまで先天的なものなので治らないといわれていた領域(発達障がいなど)に対して動きが出はじめています。

 

新しいバージョンというのは『遺伝子コード』というものを使ったFAPです。

 

病気や障害には関連の深い遺伝子があるということが最近の研究でわかってきています。この遺伝子がなんらかの事情でうまく本来の働きが出来ない状態だと症状が起き、戻れば症状も落ち着いてくるのではないか、という仮説のもと考えられたのが新しいFAPです。ご自分でお家でいつでもできるので、それもいい点です。

 

 

【6】トラウマの手当ての重要性を痛感しているから

 

トラウマが体の中に隔離・保存されていることで、多くの苦しさが二次的三次的に積み重なっていってしまいます。それに気付かれない場合も多く、苦しいループを延々と回り続けている方が本当に多いと感じています。

 

トラウマを身体から出してあげられるとその人から見えている世界がこんなにも変わるのかと驚かされます。だったら本当にはやく出してあげた方がいいと思っています。

 

自分がどうしたいのかまたはしたくないのかという視点がそもそもなく、人の目や人の機嫌を常にモニターしながら生きていてストレスがどんどん溜まり、人といるのが苦しくなっていたのが、自分のペースというものを知り、自分の都合を優先するということが罪なことではないんだと感じられて、自分を大事にできるようになります。

 

『自分を大事にできた時に感じるもの』

それを感じてほしいと思っています。これは私は言葉にできません。言葉にすると薄っぺらくなってしまいそうで。そして〝感じてこそ”のものだから。

 

そんな想いでFAP療法を使わせていただいております。

 

※効果には個人差があります。