2013年

10月

01日

愛すべき摂食障害

私がこれまでお話を伺ってきた摂食障害の方の多くは、真面目な頑張り屋さんです。真剣にご自分の人生と向き合い、人とのやり取りや仕事や課題にも真摯に取り組まれていらっしゃる。私はいつもお話を伺う度、頭が下がる思いになります。

 

ところが摂食障害の方はご自身のことをダメな人間だと思っていらっしゃることがほとんどです。

 

  • 自分が出来ることなんて誰にでも出来ることで特別なことじゃない。
  • これといって得意なことがあるわけじゃない。
  • 何をやってもうまくいかない。

等の様に感じてしまわれる様です。

 

向上心もとても強く、負けず嫌いな側面もあるようです。

 

  • もっと出来るようにならなければいけない。
  • トップを取り続けなければならない、又は取り続けたい。
  • 自分は頑張りが足りない。もっと頑張りたいのに出来ない自分はダメだ。

 

もう限界まで頑張っているのだからそれ以上にというのは無理があるのに、限界があること自体がダメ要素となってしまわれる様です。どんなに頑張っても人間の足で時速100Kmで走るのは無理なのにそれをやろうとしているようなものです。もう本当に苦しいでしょう。

 

摂食障害は母原病だと言われていました。母親との適切な関係が持てなかったからだ、というものです。親御さんとのことは多かれ少なかれ影響はあるだろうけれど、そのせいにしても何の解決も見ない、と私は感じています。

 

わたしのところに来られる方には、必ずどの症状の方にもご家族のお話をお聞かせいただくのですが、摂食障害の方の親御さんのお話をうかがうと、確かにひどい場合もありますが、いい親です、理解してくれます、応援してくれます、一番尊敬できる人です、と言うことが多いのです。なので決して関係が悪いわけじゃない。むしろお母さん大好きだったりします。

 

影響があるとすれば、そんなお母さんを喜ばせたい、期待に応えたい、自慢の子でありたいと思うことだったり、お母さんがとても素敵な人なのであんな風になりたいと思っていたりすること。他には基準がご両親になってしまっているために、親が出来ることは出来て当然のことになってしまっている、ということもあります。辛抱強く苦労をされている親御さんですと、その姿を見ている子どもは、我慢するのが当たり前、要求を言うのはワガママだ、との認識になってしまうこともあり、正当な自己主張であってもためらう様になる方も少なくありません。

 

そこにもともとのお人柄が後押しをすると、

 

“文句も言わす、誰にも助けを求めず、ひたすら上を目指す頑張り屋さん”

が生まれます。それ自体は悪くないことだと思うのですが、まわりとの関係でバランスをとるのが難しくなったり、1人で問題を抱え込んでしまうことにつながり、苦しくなってしまう。

 

どこにもそのストレスを出すことが出来ないので、1人で出来るストレス対処法として、身体が摂食障害の症状を選んでしまうのでしょう。

 

はじめは誰にも迷惑をかけないためにこっそり食べたりしていたものが、次第にエスカレートしていき、やめられなくなってしまう。太りたくないから痩せたいから吐いておこう、とはじめた嘔吐も止められなくなってしまう。

 

逆に食べないという対処法を選ぶ身体もあるようです。

 

他にはカロリーが気になってしまう、体重計に毎日乗らないと不安、下剤を不適切に飲んでしまう(乱用ともいいます)、過剰に運動をしてカロリーを消費しようとする、等がよくみられる症状です。

 

いずれにしても脳内の分泌物との関係は深い様です。

それについてはまた後日書きますが。

 

まず、誰にも言えない苦しさを出すことから、治療は始まります。

心と身体がいっぱいいっぱいのはずです。食べ物ではなく思いを吐き出すのです。

 

そしてストレスがどこから来るものなのか考えていきます。

環境が直接の原因になりますが、その環境をどう捉えているか、どう対処しているかで、ストレスの係り具合が変わってきますので、そのあたりを探っていきます。先に述べたように親御さんからの影響もあるはずですのでその部分についても一緒に考えていきます。何か変えることが出来そうなら試していきます。

 

過去のトラウマが関係していることも多くあります。

同級生からぽっちゃり体型を指摘されたり、いじめを受けたりした経験があるとその恐怖から美しくなければ、何かに秀でていなければという思いに取り憑かれてしまうので、頑張りすぎてしまうのです。

 

これまでの人生を振り返り、とり残されているそうした思いを救い上げていきます。

 

そうして過去の自分の思いをきちんと受け止め、未来に向かえる力に変えていくのです。

 

難しいことではないはずなのです。もともと持っているあなたの力を認識しなおすだけのことだからです。

 

ただ、それを邪魔する考えや信念があるのでなかなかそう思えない。

 

摂食障害は自分の存在価値・意義と深く深く結びついている症状だと私は感じています。このカウンセラー言い過ぎだろ、と思われるかも知れませんが、魂の存在そのものに対する不安が起こしている症状であるように思うのです。

 

その不安から救い出せるのは最後はご自身です。

それをご自身が感じられるようになるまで、サポートして参ります。

 

※今回は摂食障害に焦点をあてて書きましたが、その他の症状や障害も併せ持っているという方も多いです。カウンセリングではそちらへも焦点をあてながら進めていきます。