アダルトチルドレン&インナーチャイルド


アダルトチルドレン・インナーチャイルドという言葉を聞いたことがありますか?

 

アダルトチルドレンとは安心出来ない家庭で育ち、子ども時代に言いたいことが言えず思いを封じ込めたまま大人になった方やその生き方などを言います。

 

元はアルコール依存症の親の下で育った子どもを指して言う言葉でしたが、研究が進むにつれて、アルコール依存症家庭以外にも似たような傾向を示す人々がいることがわかり使われ方が変わってきました。

 

“こどもっぽい大人”という意味合いに捉えられがちですが、むしろ大人の様に振舞わなければならなかった子どもたちです。

 

「本当はもっと子どもらしくいたかった」という思いは確かに残されているので

“子どもの時の感情を胸に封じ込めている大人”とは言えそうです。

 

安心できない家族のことを機能不全家族と呼びます。どんな家族かというと、

  • アルコール依存を含む各種依存症者(ギャンブル・借金・仕事・ゲーム・セックス・薬物)を抱えた家族
  • 虐待家族(自分でなく家族が受けている場合でも)
  • 夫婦仲が悪くいつも喧嘩や駆け引きがある家族
  • 病気の人の看病に明け暮れる家族
  • 躾や教育が厳しすぎたり進路を親に決められてしまっている様な家族
  • 宗教を信仰しており家族が入信するのが当たり前と考えている家族  など

 

自分の意志や欲求を自由に出すことを許されない環境にある

ということが共通しています

 

アダルトチルドレンと一口に言っても色々なタイプがあります。代表的なものは…

  • ヒーロー【英雄】何らかの能力に秀で、家族の期待を背負う子
  • スケープゴート【犠牲の山羊】家族の中の問題児役
  • ロスト・ワン【忘れ去られた子】存在しないかの様に息を潜めている子
  • プラケーター【慰め役・小さなカウンセラー】辛そうな家族に寄り添う子
  • クラン【道化役】家族に笑いをもたらそうとする子
  • イネイブラー【支え役・偽親】親のように家族のお世話をする子

 

こういった役割を演じるのは、本人と家族のストレスを最小限に抑えようとする保護機能です。しかし、本人も周りもそれを意識しているわけではありません。

 

これらの役割を演じることを家庭で覚えてしまうと、パターンとして他人との対人関係場面で再現されます。場所を変えても関わる人が変わってもなぜか同じことが起きてしまいます。その蓄積が生きづらさや問題行動を生んでいきます。

 

インナーチャイルドというのは自由に出すことを許されなかったために心に封じ込めた思い(怒りや憎しみ、悲しみ、絶望など)を抱え込んでその人の中に留まり続ける小さな自分です。

 

インナーチャイルドを心の奥に抱えた人がアダルトチルドレンとなると考えていただければいいと思います。

 

インナーチャイルドは潜在意識の中にひっそりと息を殺して存在しているのですが、家庭内で起きてきたことと似たような状況になると俊敏に反応し“対処”しようと動きます。

 

ところがこの“対処方法”というのが幼い頃に小さな頭で必死に考えた方法なので、当時思いつく限りで最善の方法ではあったはずですが、状況が違う現在の対処方法としては適切でないのです。基本的には我慢する、自分の感情を封じ込めるという方法を選択しています。

 

いつも、どこに所属しても同じ状況になってしまうので、心身ともにストレスがたまり続けます。体はそれをなんとか排出しようとします。

 

その方法として、お酒やギャンブル・薬物等、人、仕事への依存、DVなどの家庭内暴力、食べ吐きなど摂食障害の症状、うつや解離性障害などの精神疾患、原因不明の疼痛など、様々な問題として顕在化してきます。

 

その苦しさや困った行動を問題として更生させようとしたり治療しようとしたり、罰したりということが起きますね。ほとんどの人がそれを悪いこととして、歓迎しないだろうと思います。やっている自分自身ですらそんな自分をダメな人間であると心の中で罵っていたりもします。

 

ですがその裏には長きに渡り封じ込められ無視され続けた悲しみや怒りの感情を抱えたインナーチャイルドがいます。かくれんぼしていたのにいつまで経っても見つけてもらえない子どものように、不安と孤独と、そのままいなかったことにされる恐怖に怯えながら、声にならない声で「出して!出して!!」と訴え続けています。

 

実はその子を見つけていく過程で周りにいる人々はその子からギフトを受け取ります。その子を見つけるためには世に蔓延してる価値観や先入観を一旦壊す必要があるからです。

 

知らず知らずのうちに私たちはそういったものに縛られて、自由に考えることもそれを発言することも行動することも制限されています。あたかもそれが当たり前のようによいことのように語られ守られている価値観によって、実は自由を奪われていることがあります。その子を見つけることは、本当の自由ってなんだろうという問いへの答えを手に入れていくことなのです。

 

そうした営みを大きな視点で見ると、アダルトチルドレン・インナーチャイルドは、人がより自由に幸せになるために身体を張ってそれに気付かせようとしているという大切な役割りを果たしてくれていると言えるでしょう。まるで愛の大使だな、と思います。

 

iカウンセリングではインナーチャイルドからの心のメッセージに気付き、受け取っていくお手伝いをいたします。